2021-01-01から1年間の記事一覧

ライゾマティクス_マルティプレックス

東京都現代美術館、2021年3月20日〜6月22日現代作家公立美術館個展鑑賞日:6月18日(金)今、現実に起きていることは、確かに起きているのだが、それはプログラムをされているということよりも、その現実は、本来の現実の一段面でしかないということを説明す…

マーク・マンダース —マーク・マンダースの不在

東京都現代美術館、2021年3月20日〜6月22日現代海外作家公立美術館個展鑑賞日:6月18日(金)なにかの姿を再現するということが、過去から行われてきたが、それらはすべて再現をしたという事実以上の意味は発生させることはできない。時折り、人のかたちを再…

利部志穂「水平考 ぼくは、空飛ぶ、夢をみる。ホシが、泪が、流れない。」

多摩美術大学彫刻棟ギャラリー、2021年6月7日〜6月30日現代作家大学内ギャラリー個展鑑賞日:6月14日(月)空間は空ではない。私から私の意識が発信され、壁に反射して、空間のなかを動き続ける。空間は抽象的な存在ではない。常に具体的に距離があり、素材…

荻野夕奈「FLOWER UNCHAINING」

KATSUYA SUSUKI GALLERY、2021年3月3日〜5月16日現代作家画廊個展鑑賞日:5月15日(金)自分の存在を仮の姿に託す。自分の存在を自分自身の身体を使って高らかに歌いあげることもできるとは知っている。しかし、それは選択しない。なにか仮のものが必要なの…

小林聡子展 コクーン

藍画廊、2021年4月26日〜5月8日現代作家画廊個展鑑賞日:5月1日(土)世界との距離を測る必要がある。私と世界の間の。茫漠とした空間。淡い単色のぼんやりとした色彩のなかに、私は立ち、遠くになにががある。それは見えないが、在るという気配は感じられる…

舟越直木I 1983-85

ギャラリーせいほう、2021年4月19日〜4月28日現代物故作家画廊回顧展鑑賞日:4月21日(水)平面に描くことと空間に描くことの違いは何か。誰かその問いに答えた者はあるだろうか。線を引けば場が分割され、空間が生まれる。人が立てば、場が分節化され空間が…

高嶋英男展

ギャラリーQ、2021年3月22日〜4月3日現代作家画廊個展鑑賞日:3月30日(火)身体を満たすもの。それを確かめるために、土に手を入れる。手の表面を土が覆い、身体を満たすものが何かはわからないが、内側から反発する何かが、土に形を与えていることが確認で…

前田哲明<Recent Work 2021>

gallery 21yo-j 、2021年3月11日〜3月28日現代作家画廊個展鑑賞日:3月27日(土)空を象るために、何ができるか。人の身体も心も空としか言いようのない、物理的な空洞と観念的な空洞とを有している。その空について、古くより様々な言葉を費やすことで、象…

松田ハル個展

DOGO 、2021年2月20日〜3月14日現代作家画廊個展鑑賞日:3月5日(金)目に見えないもの。それは感情なのか、感覚なのか。世界の数式モデルなのか。それらにかたちを与えよう、目に見えないように。見ることを問うているのではない。かたちがどこで発生するの…

金巻芳俊 空蝉センシビリティ

FUMA Contemporary Tokyo | 文京アート、2021年2月20日〜3月6日現代作家画廊個展鑑賞日:3月3日(水)私の中には複数の私がいる。そうとしか思えないほど、状況によって私は私を使い分けており、それは違和感なくすべて私である。私は分裂をしていない。その…

飯嶋桃代展「Recovery room―ましましいねつるかも」

ギャルリー東京ユマニテ、2021年2月15日〜2月27日現代作家画廊個展鑑賞日:2 月18日(木)連鎖という機構。それはあまねく世界にあり、この私の内側にもある。この世界の連鎖から外れるものなどない。だからその連鎖の機構の一つ一つを解明していこう。模型…

速水一樹「JAM」

ギャルリー東京ユマニテ、2021年2月15日〜2月20日現代作家画廊個展鑑賞日:2 月18日(木)面を分割し空間に解放する。とはいえ、重力がある。空間は無限に広がるも、常に地へと向かっていく。それをもう一度絵画平面に置き直し、さらに色彩を伴った面に象徴…

舟越桂 私の中にある泉

渋谷区立松濤美術館、2020年1 2月5日〜2021年1月31日国内現代作家公立美術館回顧展、自主企画単独開催鑑賞日:1月21日(木)見ることによって言葉が現れる。消えてしまいそうな言葉たちを、瞬時に捕まえて、ピンで留める。言葉の標本は増えていき、それぞれ…

100歳記念すごいぞ!野見山暁治のいま展

日本橋髙島屋S.C.本館8階ホール、2021年1 月9日〜2021年1月18日国内現代作家個展、主催:日本経済新聞社鑑賞日:1月17日(日)描くべきものは、常に目の前にある。色と形を伴って、手の触れられるものとして。見えないものは描くことができない。見えないよ…

フランシス・ベーコン バリー・ジュール・コレクションによる

神奈川県立近代美術館 葉山、2021年1 月9日〜2021年4月11日海外物故現代作家個展鑑賞日:1月11日(月)紙の上に、もしくは布の上に、厚みのない色彩によって移し替えられた像に、もう一度肉体を、生命を与える。まずは、その人物が生きるための空間を規定し…