2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

マティス展

東京都美術館、2023年4月27日〜8月20日 近代物故西欧作家回顧展、メディア共催大規模巡回展 鑑賞日:6月10日(土) 彼は何を見て、何を描いているのだろう。ものの形なのか。ものの色なのか。人物と室内の調和、あるいは不調和なのか。描くことそれ自体と言…

生誕110年 傑作誕生・佐藤忠良

神奈川県立近代美術館 葉山、2023年4月22日〜7月2日 物故戦後作家回顧展、公立美術館巡回共同企画 鑑賞日:6月8日(木) 人の形象を成しているから、それを具象という。figurative とされるものだ。とはいえ、人の形象が別の何かを表すための記号であるとし…

若林奮 森のはずれ

武蔵野美術大学 美術館・図書館、2023年6月1日〜8月13日 物故現代作家回顧展、自主企画単独開催 鑑賞日:6月1日(木) 私がいま立っているこの場。ここをなんと名付けたらいいのか。私と場の関係から、私の存在を問うことを求めてはいない。私は存在せず、他…

顕神の夢ー幻視の表現者 村山槐多・関根正二から現代まで

川崎市岡本太郎美術館、2023年4月29日〜6月25日 近現代美術テーマ展、公立美術館共同企画巡回 鑑賞日:6月1日(木) 幻を知覚していると、自覚する。現実ではないもの、状態、現象を、現実に存在するものとして。幻は、私の内部に発生するのではなく、外部に…

丸山太郎個展『魔性のセーブポイント』

TAKU SOMETANI GALLERY、2023年5月18日〜6月7日 現代作家画廊個展 鑑賞日:5月31日(水) いま目の前にある物体にどのような名称を与えようか。その物体が元来保持している機能は、一部取り払われ、別の領域に属していたものが挿入されている。機能はかろう…

中村宏 戦争記憶絵図

ギャラリー58、2023年5月16日〜6月3日 現代作家画廊個展 鑑賞日:5月31日(水) 体験が身体のどの部分に残るのかは、その体験による。傷のように肉体に物理的な痕が残ることで心理的に体験が持続されることだけを、ここで対象にしているのではない。修練のよ…

川島清 DOUBLE 銅版手彩色

ギャルリー東京ユマニテ、2023年5月29日〜6月17日 現代作家画廊個展 鑑賞日:5月31日(水) 金属の針を持ち、銅の板を傷つける。銅の板の内部は均等ではなく、その粒子は層になって折り重なっている。その薄い、ほとんど厚みのない層の、重なりを目指して、…