Raum, one work, 中西夏之

YOKOTA TOKYO、2024年4月15日〜4月26日

現代物故作家画廊個展

鑑賞日:4月22日(月)

 

場=フィールドとは何か。本当にそれは存在するのか。目の前に概念的に空白とされるものがあって、そこに私の身体を没入させることができるのだろうか。場は誰かが設定するものではなく、自分が作り上げていかなければならない。そのために結界が必要となる。まず、領域を決めなければならない。この身体も含めて。その結界のなかに、意味を与えていく。部分部分に。その作業をしつつ、自分は曼荼羅を作っていることに気づく。場のなかに世界の縮図を描いていたと。しかし思う。自分はその世界の外に出ていくために、場に意味を与えていたはずだった。拡張されていく場は、また場の理論に回収されていく。劇場性という名称を与えても、それは限られた空間のなかの出来事でしかない。そこで、場を発生させることに意味がある。そのためには身体の制御できない揺らぎによって振動を生みだす必要がある。その振動は微細で目に見えないものだから、それを可視化する装置が必要となる。崩れ落ちる姿を持つ装置を。