秋山祐徳太子と東京都知事選挙

ギャラリー582021913日〜109

戦後美術物故作家画廊テーマ展

鑑賞日:917日(水)


政治的自己中心主義のなかにあって、芸術が中立という幻想に安寧とできるわけがない。今まで歴史的に中立であったことはなく、今後もそうでしかない。しかし、政治的自己中心主義の最中には自己中心的に架空に中立を掲げることは、政治的行動というよりは、芸術と呼ぶしかないのだろう。それは芸術が政治的に不偏不党を掲げるものだというわけではなく、芸術というものは、その程度の詐術にしか過ぎないという断念の証でしかない。その行動の政治性を表象することと政治を行うこととは、根本的に異なる。理解者も賛同者も不要ななかで、社会改良を訴えるべき時に、中立という立場はありえない。とはいえ、その幻想を追い求める権利も人は有している。その意味でその人物は二重にロマンチストということができよう。自らの行動が何も産み出さないことを理解し、しかもその行動の見返りを求めない。芸術は世のなかに不要だと、政治行動のなかで主張するほど、政治的な行動はあるだろうか。