Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる

東京都美術館2021722日〜109

現代作家グループ展、自主企画単独開催

鑑賞日:915日(水)


世界は断片的なものだ。自分が関係している部分しか、理解しようがない。自分が属している階層のことはわかるが、それ以外のことは把握しているとは言い難い。それでも他人に迷惑をかけず、自己をそれほど主張せず、世界を調和することを宗に生きてきた。しかし、ある時から、その私の安寧とした領域に他者が入り込んでくる。それも暴力的に。抗うことはできず、引き受けるべきことを引き受けるしかない。それが私の本来かはどうかは、わからないが、私は暴力の最中にあっても世界と調和することを求めていたのだろうか。いや、そうではない。暴力の世界と調和をする気はない。意に沿わない世界と同調することはできない。何かの折に暴力は突然去る。もしくは、日常の中へと消えていく。しかし、私のなかには、暴力の傷は残り、消えることはない。その意味すら容易には測りかねない。話して伝わることかもしれないが、話し尽くすことはできない。目に前の石を拾い握りしめるように、かたちを求める。私の言葉の代わりになるものを。