樋口朋之「PROCESSING FLOW 」

The White2020714日〜1

現代作家画廊個展

鑑賞日:717日(金)


物事は進んでいく、もしくは収まっていく。あらかじめ結果を定められていたかのように。その結論のために全勢力を注いでいるかのように。本当にそうなのだろうか。振り返ることはしないのだろうか。止まることもないのか。結論は見えていると人は言う。それは誰が保証しているのか。別の結論を欲してはいないとしても、立ち止まり、やり直す。同じことを、何度も、何度も。確認しなければならない、今起きていることの意味を。消費されない私の時間を。私の時間を返せ。私の時間は私のものだ。先に進もうと後戻りをしようと、それは私の問題だ。あなたには理解できない進み方をしたとしても。繰り返しにはズレが発生する。当然のことだ。ズレは意図せず発生する。ズレないように繰り返すには、相当に自分の所作を意識しないといけない。訓練をしないといけない。しかし、生きていることは、意識することではなく、また、訓練でもない。ズレを意識せず引き受ける。それはズレなのか。生きていることの証しなのか。今日もそのことを確認しなければならない。