中西夏之展 私は願う 太陽に向かって種子を播きたいと

女子美術大学アートミュージアム、2017年7月5日〜8月4日
現代物故作家個展、自主企画単独開催
鑑賞日:7月12日(水)

行為というものが、意識のみによって司られているとは、もはや考えることができない。より正確にいうならば、意識が、行為者の意識のみを指すのではなく、物質の意識、場の意識、時間の意識をも含むことになる。行為者はそれぞれの意識を統合するのではなく別個に発現させる。それすらもコントロールされた台本のなかでの出来事を称することも可能だろうが、その可能性を指摘したところで、何かを説明することにはならない。行為者を否定するのではなく、その場で起こりうるすべての可能性を肯定することによって、私の意識は拡張される。ルールはある。私がルールを決めた。そのルールから発現する事態について私は予断を持たない。そしてそのいくつものバラバラの発現からなる、私によって区画された場を、その振動をも形象として表し、揺らぎを許容する。行為は繰り返される。そこに私が不在だとしても、行為は終わることはない。場はいつでも発生する。その準備は常に万全である。