額田宣彦 "parallel"

Hagiwara Projects、2017年6月24日〜7月23日
現代作家画廊個展
鑑賞日:7月20日(木)

秩序を規定するための原理について問わなければならない。問うというよりも、描くことで色付け、図式を抽出し、問うと同時に解をえるというべきだろうか。問いは複数あり、解も複数ある。しかし、原理は一つしかないと、設定されている。原理は画面そのものだからだ。画面は支持体と分離し、原理のための虚構の場の拡がりとして成立する。その原理に従って、虚構の場から現実の面を導きだす。その面に現れる秩序と原理との揺らぎ、そして乖離が、秩序と原理の間に視線を滞留させる。視線は線を追い、色面に留まる。形象は全体の姿を結ばず、とはいえ、断片ではない。形象は絶えず揺れ動く大きな秩序の一部が、画面に現れたものであって、部分と全体は不可分であり、今、目に見えている形象は、ある現象としてあるのであって、それはすべてではないが、現象として全体を表しもする。一つの原理と複数の秩序が、伸び縮みし、繰り返される。