竹内義郎 新作絵画展

なびす画廊、2015年1月13日〜1月31日
現代作家画廊個展
鑑賞日:1月28日(水)

絵画が絵画という一つの形を示しているその画面のなかに形を描く。形と背景の関係は、その作品と絵画というジャンル全体の関係に等しい。描かれたものではなく、描くことと関係がテーマであるから、描かれた形は画面に留まり視線を受け止めることなく宙に浮く。絵具の層がフラットであればあるほど、その形は別の層に存在する。その形は、支持体を失い、意味も外された装飾そのものとして、装うべき対象も飾るべき対象も持たない、自律して存在することが不可能であることを前提としている。その辛うじて身じろぎをするように微かなパターンを編み、しかしそれも空を彷徨う。身寄りなき形の連続は、今まで描かれ続けた絵画に相当する。描くことを描くというトートロジーでしか成立しない絵画を描くのではなく、描くことを描き続けるということを祈りに変えるのだろう。