ドナルド・エヴァンズ

横田茂ギャラリー、20201026日〜1113

物故海外作家画廊個展

鑑賞日:1029日(木)


今、目の前に世界がある。確実に。私はその世界の一員として、生活をしている。はずだ。友人もいれば、職場もある。とはいえ、私はこの世界に満足をしているのだろうか。もちろん満足をしている。そのなかにあって、異世界を夢想する。具体的に。私の生活の一部として。私は現実に依拠しつつ、異世界の住人となる。そのためには、異世界において勤勉に働かなければならない。それは、切手を創造することだ。現実世界の行為は、異世界を生きるためのこと。切手を創造することは、異世界創造することではない。それはあらかじめ存在する。既にあるものを描きとめる。知らないが知っている人々。見てはいないが、見たことのある景色。描くことによって、世界は創造される。創造と現実のズレは解消されない。そのズレを埋めるために、今日も描き続けなければならない。