児玉靖枝 asile

gallery 21yo-j20201016日〜111

現代作家画廊個展

鑑賞日:1030日(金)


無数の空間。形の定まらない、夥しい数の、小さく分けられ、すべてがひと繋がりの。花がそれを分節化する。枝がそれを再創造する。揺れる。動く。細かく、そしてゆっくりと。内に向かって凝縮し、そして外に向かって溢れ出す。絶え間ない運動があり、視線はすべてを見ることはできない。起こりつつあるものを把握するには、距離が足りない。私は、無数であり、かつ、ひと繋がりの空間と、外部との境界に立っている。内と外は、ある時逆転する。枝と花によって。枝と花は、こちらを向き、空間を手前に押し出して、境界を乗り越えようとする。私はそれを阻止するために、境界に立っているのだろう。意図せず。意識しないうちに、その役割を担わされている。私は進むことも退くこともできない。眼は前方を凝視し、足は微動だにしない。空間は私を浸食してくる。空間が私を押し出そうとする。