鈴木繭子展

秋山画廊、2018年1月24日〜2月20日
現代作家画廊個展
鑑賞日:2月2日(金)

自分を取り巻くばかりでなく世界のあまねく場所を取り巻いている、なにものかの存在。私は存在しているが、私は世界のなかに存在する。その私の周りを取り巻くものたちは、薄くその姿は見えないにもかかわらず、重い。その場所にあるということを知らしめようとする。ほとんどないにもかかわらず。しかし確かにある。なぜなら私がそこに存在させたから。その痕跡も定かではないような、存在として。だからこそ、あるということが、際立ってくる。常に支持物に対して逆らわず、重力にも従順で、あるということを、感知させないように配置されているにもかかわらず、その存在は垂直方向に、水平方向に、距離を自らのものとする。空間を欠乏によって充満する。それはなにかがないことでも不足していることでもなく、距離と空間の問題としてある。