平松麻展「待つ雲」

Gallery SU2020926日〜1011

現代作家画廊個展

鑑賞日:101日(木)


自分がどこにいるのかわからない。自分がどこに向かっているのかもわからない。地はある。天もある。その間に私は居て、私はいない。何か手にするものを探さなければならない。それは私自身だから。しかし、何もない。誰もいない。そうあるべきかもしれない。私の存在を確認する作業は不要だから。言葉は失われ、私ももはやいない。いないことでしか、存在することはできない。私の意思で存在しないのではない。私から私が出て行ったのだ。言葉を持っていないのではない。言葉が私から出て行ったのだ。 

 私は存在しているのだろうか。それすらも、意味のない問いなのだろう。しかし、私は手にする。一本の枝を。この世界で唯一私の存在を知るものとして。