鈴木沙也香展「SHINE」

第一生命ギャラリー、2016年10月14日〜11月25日
現代作家個展、メセナ活動
鑑賞日:11月2日(水)

仮想の空間を創出することは意外に容易く、隣合う色面同士が自ずと空間を発生させる。そこに平面であることを前提とした壁紙や窓を挿入することで、平面としての空間は歪むことなく切子状に構築される。鮮やかな色彩はすべてが均等に、しかし少しずつ違った角度を持って、手前に出ようとする。その仮想の空間が一枚の平面のかなかで完結してしまうがために、私の現実と乖離してしまう。私の現実と画面の仮想とを結びつけるには、私の現実を画面に組み込まなければならない。空間演出の小道具としてではなく、仮想の現実と折り合いをつけるためでもなく、私の現実を仮想するために。