イサム・ノグチ 発見の道

2021424日〜829

現代物故海外作家美術館個展、共催:朝日新聞社NHKNHKプロモーション、文化庁独立行政法人日本芸術文化振興会

鑑賞日:71日(木)


かたちを作るのは、かたちを残すためだ。この地球上に、自分が存在した証として。そのようなかたちは、星の数ほどあることはわかっている。誰もが、望むと望まないとに関わらず、なんらかのかたちを残して、土へと還る。その土の上に誰かのかたちが積み上げられていく。私のかたちの上には、なにも積み上げないで欲しい。積み上げられないためには、大きさが必要だということは、わかっている。しかし、小さいものであっても、その場所にそのかたちのままで、在り続けるためには、自分の生より長い時間が必要だ。自分の死後できるだけ長く残すために、自分の生の前に長い時を経てきたものから、その時間を借りる。時間が詰まっていて、その後も変化しないもの。その唯一無二のものとして、石がある。それは地球の創造の一部だ。人の時間を遥かに超えた存在に、手を加える。なにができよう。切り、削り、刻み、かたちは作られる。そのかたちは必要なのか。必要だ。私の存在のために。かたちを作ることで、私は地球の一部となる。そして石のなかに還る。