生誕100年 松澤宥展

長野県立美術館、202222日〜321

戦後物故作家公立美術館回顧展、自主企画単独開催

鑑賞日:320日(日)


形態は機能を持つ。機能を充足させるための形態を創造する。機能は目に見えない。だから形態を消す必要がある。機能は私に作用する。あなたにも作用する。作用は目に見えない。やはり形態は消さなければならない。形態が存在すると、人は機能と作用の繰り返しから、想定外の機能と作用を作り出してしまう。その誤読と誤解の繰り返しが、形態に意味を持たせる。より直接的に、誤読と誤解を生み出すためには、形態から発生する機能と作用の最大値を設定する必要がある。それは最大値であり最小値としての無だ。無は存在する。目に見えないものとして。その存在を指し示すために、言葉がある。言葉にも形態があり、誤解と誤読の源となるとしても、言葉と形態は常に表と裏の状態にあり、双方を一度に把握することはできない。あらかじめ分離しているものとして、使用する。その分離の狭間を誤解と誤読で充満させることで、狭間は無として存在を確かにする。