想像上の生き物

theca(コ本や)、2020714日〜26

現代作家画廊グループ展

鑑賞日:722日(水)


絵画は動く。留まらない。形を変え続ける。どのようなものにでも。支持体がある限り。どこにだって、存在可能だ。しかし、描くことからは逃れられない。描かずには絵画は成立しないからだ。それは本当だろうか。絵画は描いていることではない。絵具を統合しているだけだ。ある法則によって。絵具の問題ではない。統合のあり方が問われるべきだろう。だから、絵画を問うと言いつつ、絵画は問われていない。問題は統合にある。社会の。私自身の。すべては分裂している。当たり前のことだ。絵画が揺れ動くことと同じことだし、一つの空間にいくつもの人格が混在しているのも。その空間のなかで、私がどこに着地をするのか、私は知ることはない。知る必要もない。揺らぎのなかにこそ可能性がある。本当にそうだろうか。実は、絵画というものはどこにも存在しない。その可能性のために、私はいるのではないだろうか。