東京国立近代美術館、2016年12月6日〜2017年2月12日
現代物故作家回顧展
国立美術館2館巡回
鑑賞日:1月6日(金)
目指すものは神秘であったはずなのに、絵画は物質であるために、神秘は現れず、ただ画面だけがそこにある。画面がそこにあるということも神秘とするならば、その神秘を追いかけよう。神秘は常にやってくる。だから私は繰り返し繰り返し支持体に絵具を乗せていく。その神秘はどこからくるのかを、もはや問うことはない。現れ続ける神秘を受け入れればいい。しかし、神秘の発生が私の内とは別の場所で起こることであるならば、私の内にあるものは一体何ものなのだろうか。画面から問いかけてくるもの、内から出ていくもの。私には何もない。そこには支持体と絵具がある。その絵具が私の目に届くのは光があるからだ。しかし、私は光の神秘には関心がない。色彩は重要な要素だが、色彩は物質であって光ではない。だから私は描かれたものの、さらに奥にあるかもしれない何かを、見ることはない。
endless 山田正亮の絵画 endless: The Paintings of Yamada Masaaki
- 作者: 中林和雄=編著,沢山遼,斎藤敦,田野倉康一,松浦寿夫,神山亮子
- 出版社/メーカー: 美術出版社
- 発売日: 2016/12/19
- メディア: 大型本
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