LOKO GALLERY 、2019年11月8日~11月30日
現代作家画廊個展
鑑賞日:11月26日(火)
見ているのに見えない風景がある。なんでもないこと。特別記憶すべき事柄でもない。しかし、見たい時には見ることができない。それをどうカタチに留めるのか。カタチにすればするほど、奇妙な姿を伴う。それは見たことがない何かとして目の前に現れる。見ていても見えていないのだから、それは見たことがないものだ。誰かがしたり顔で言う。そうではない。とまた誰かが。見たくないという意識が見えなくしているのであって、その意識がある限りは見ているのだと。
そうであろうとなかろうと、見ていることと、それをカタチに置き換えることには大きな飛躍がある。そのために画材の質感を確かめつつ、記憶と感覚を移し替えていかなければならない。移し替えられた先には、新たな現実と見えるものは始まってしまうため、その作業には戸惑いを隠せないが。その方法でしか、私の内側は外側へと出てくることはない。