DIC川村記念美術館、2018年10月6日~2019年1月14日
現代詩人企画展、自主企画単独開催
鑑賞日:12月19日(水)
言葉はいつ生まれるのか。身体の動きが、言葉を呼び覚ますのか。物質の変容を目の当たりにした時に、言葉が発せられるのか。朝日が昇り、夕陽が沈む光景を前にして、人は言葉を発する前に、立ち尽くし、祈り、そして踊ったであろう。そのような現象を見て、または、手が何かに触れた時、無意識のうちに発せられた音を、自らの体験として問い直し、繰り返すことで、音は言葉へと変化したとすれば、言葉は行為と結びついている。そしてそれは観念的なものではなく、具体的な身体感覚と密接な関係を持つ。とすれば、言葉を言葉としてだけ考察することは不可能となる。言葉には他者が必要だ。その他者もまた、なにかの反応によって生み出された現象であり物体とすれば、他者のなかにその成因を規定する言葉が存在する。この時、別の出自を持つそれぞれの言葉を照らし合わせることが、言葉の発生を探る最も合理的な方法となる。
- 作者: 平出隆
- 出版社/メーカー: 港の人
- 発売日: 2018/12/14
- メディア: 単行本
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