松田ハル個展

DOGO 2021220日〜314

現代作家画廊個展

鑑賞日:35日(金)


目に見えないもの。それは感情なのか、感覚なのか。世界の数式モデルなのか。それらにかたちを与えよう、目に見えないように。見ることを問うているのではない。かたちがどこで発生するのかを確認したいだけだ。発生は原形を要する。ならばその原形も消滅させてしまおう。仮定のなかで、発生の道筋を逆転写する。それは決して過去へと向かうことはなく、今まであったもののかたちを未来へと解体する。すでに世界は解体されているのだと嘯くこともせず、解体されたものの欠片を拾い集めることもなく。目に見えるという現象を計測ために、もののかたちを見ずに、別の何かへと置き換える無限の同語反復。転写を繰り返すなかで起こる差異を乗り越える必要がある。要点はそんな瑣末な差異ではなく、反復によって生成される飛躍にある。その飛躍を解明するために、逆転写を繰り返す。