森夕香・戸張花展

LOKO GALLERY、2016年9月7日〜9月23日
現代作家画廊二人
鑑賞日:9月21日(水)

生命が生命であるために、分裂し増殖しかたちを変える。その変形の方向性は遺伝子に組み込まれているのだが、遺伝子にさらなる太古の情報が残っており、また、遺伝情報もまた変形することがあるがために、変異が起こる。かつてのかたちが予期せぬ状況で現れてしまうがために起きる不具合と混乱。機能と形態の不一致が引き起こすことによって、発生する事態は、分裂と増殖へと目を向けるきっかけとなる。分裂と増殖によって発生する隙間を満たすものはなにか。空間は無ではなく何者かが充溢していなければならない。かたちのなかの要素と要素の間は、要素を支えることによって分裂と増殖の機構を反転させる。分裂と増殖は拡大ではなく内側へ内側へと皮膚をめくり直す作業であり、その隙間、空間はさらに裏返されるためにある。