村井進吾展「再封」

ギャルリー東京ユマニテ、2016年9月12日〜10月1日
現代作家画廊個展
鑑賞日:9月21日(水)

目の前にある物体の持つ時間のなかに自分を刻み込む。その目に前にあり深く沈みこんだ時間と自分の時間は決して交わることはなく、その時間を聖域として扱うことも理解している。その時間に手を差し入れる。その時間の厚みに触れる。そのために時間の塊の表面に別の時間を被せる新たな時間の層によって、その層の隙間から元の時間を垣間見ることで、時間の違いを観察する。規則正しさによる私の時間は、不正確でしかないので、規則と不正確さを同居させ、私の時間は薄く、非常に薄く物体を覆う。物体を包み込む層だけではなく、物体が分割され、再構成されていることで、層は内側にも存在し、さらに隣の層と接している。物体は集合と分離を繰り返すことで、時間の状態もまた集合と分離のうちにあるが、物体に内在する時間は不変のままにある。