高嶋英男展

ギャラリーQ2021322日〜43

現代作家画廊個展

鑑賞日:330日(火)


身体を満たすもの。それを確かめるために、土に手を入れる。手の表面を土が覆い、身体を満たすものが何かはわからないが、内側から反発する何かが、土に形を与えていることが確認できる。手を抜くと、そこは空洞になる。まるで私の皮膚のように、内側の不明な、外側だけが可視化されている。その鋳型に仮の物質を満たすことは可能だが、それは私の内側を満たしているものではない。私の内側は可視化されない。たとえ私を切り裂いたとしても。その切り裂かれた断片は常に外側を見せる。そして、常にそれぞれの内側になにかがある。内側を探るのはもうやめよう。それはきりがないことだ。しかし、外側の鋳型、外皮にもう一度目を向けたところで、それは別の物質によって仮の形を与えることにしかならない。であれば、内側がある、そのことを問いとして形にすることで、外皮の詐術から逃れることができるのではないか。そして私の内側は満たされていく。