横溝美由紀「集積・」

ギャラリー麟、2017年1月13日〜2月24日
現代作家画廊個展
鑑賞日:1月18日(水)

ある物質に手を加えて、形を変える。その形は私が創るものではなく、形は自体が決定する。偶然ではなく必然。行為ではなく作用。その作用が発生するのは、物質が存在する場においてとなる。法則を与えると、物質は自由に動く。私は法則を管理し、物質を管理することはない。私の手のなかにその物質はなく、常に場のなかにそれはある。もちろん場を規定しているのも私でしかないのではあるが、そこには大きな意味はない。自由に動いた物質が私の手を離れていることが、最も重要となる。物質は踊り、静止し、沈黙する。私は、その踊りと静止と沈黙を繰り返すために手を動かす。小さな狭い場だとしても、踊りと静止と沈黙の価値は、損なわれることはない。そしてそれらの連続は厚みを持たず、時間的な重なりと空間的な重なりの関係を持たないまま、場に吸収されていく。