戸谷成雄 森X

シュウゴアーツ、2016年12月16日〜2017年2月5日
現代作家画廊個展
鑑賞日:1月18日(水)

分け入るべき空間がそこにはある。その空間を雄型として取り出すために、細かく分節された突起部によって周囲を取り囲むものたちを、雌型として把握する。しかし、現実的には雌型が物体として存在するがために、雄型としてしか考えられない。それは物体であって空間にはならないために、意識を変換するのではなく、そこには分け入る行為を転換して、空間を物体化する。雌型としての物体は、あくまでも仮の姿でしかない。なので、空間を創出するために、雌型を切り刻む。個々に空間を孕んだ雌型の集合体は、不在としての空間を見えにくくする。そこで見えるようにするために連続させるのだが、連続から発生する関係性は空間の実体化には意味をなさない。関係ではなく異なった雌型と雌型が創り出した異形としての雄型=空間を可視化し、物体化したものの代替物をそこに見る。