坂上チユキ「陽性転移 第二章」

MEM、2017年1月14日〜2月5日
現代作家画廊個展
鑑賞日:1月22日(日)

バラバラのものが寄せ集まり、緩やかに関係性を持って集合し、分裂する。集合体は明確な形体と機能を持たず、増殖し変異し、そして離れていく。不完全なまま分離したものは、形となるものだったのだろうか?言葉となるものだったのだろうか?どちらにも大きな違いはない。それは形でも言葉でもないから。配列の違いがその差として現れているのみで、その配列のなかにあっても、さらなる分裂を繰り返す。私というものは、粒子の集合からなり、無数の粒子がある配列によって並んでいるにすぎないのだから、その不完全なまま分離したものたちは、私自身でもある。その読むことができない言葉たちも、同じように私でしかない。私は私の複製を産み出す。しかし産み出されたものは私であって私ではない。少しずつ変異し、別の形へと移し替えられ、私は消滅し、再生する。