阪口鶴代 ー中くらいの7つの詩ー

Gallery SU、20201114日〜1129 

現代作家画廊個展

鑑賞日:1119日(木)


顔料の粒子の一つ一つを感じ、私のものとし、私自身となるよう、支持体に載せる。その矩形の領域に、粒子が立ちあがり、積み重なる。層をなして、厚みを持ち始める。私のなにかが移し替えられていくが、私からはなにも減らず、むしろ増え、成長していく。時には、移し替えたものを刈り取らなければならない。それは、私が伸び縮みをするように、矩形の領域の粒子の層も伸び縮みをする必要があるから。層は時間とともに変化をする。私も時間とともに変化をする。層と私との間にある、ずれ。時間のずれ、場のずれ、私の変化によって発生する私の内側のずれ。そのずれが層を形成し、色彩をともなった形象として出現する。その形象は常に崩れつつある。かろうじてその姿を維持しているのではない。今まさに崩れようとしている。その危うさと、力強さ。内部に込められた力が、全力で硬直し、そのため全力で自身を解放しようとしている。