内田涼個展「ウィンド・ウィンドウ」

Otherwise Gallery、2024年4月26日〜6月1日

現代作家画廊個展

鑑賞日:5月9日(木)

 

世界を把握する。それは自分を取り巻く空間を把握することになる。その取り巻く空間に発生するさまざまな社会現象があり、その一つ一つはとても重要なファクターとして私の世界を構成しているとしても、その一つ一つを抽出し、形象として現そうとは考えない。それは自分の仕事ではない。その重要性を把握したうえで、世界の構造を抽象化することも、事象の個別性と同じように意味があることだと考える。世界の構造。より具体的に言えば、私による世界認識の構造となるのだが、その構造は当然のことながら揺れ動く。なぜならば世界が、私を取り巻く世界が揺れ動いているのだから。そのために水平線と垂直線を規定する。マトリックスであるとともに、私の視線の照準を合わせるために。認識のためには基準が必要となる。それが仮だとしても。いや、仮でしかないといったほうがいいのかもしれない。絶対的正義というものが存在し得ない世界のなかで、相対性によって、そして複数性によって、さらに反復によって、世界の構造を重ね合わせていく。