速水一樹「JAM」

ギャルリー東京ユマニテ2021215日〜220

現代作家画廊個展

鑑賞日:18日(木)


面を分割し空間に解放する。とはいえ、重力がある。空間は無限に広がるも、常に地へと向かっていく。それをもう一度絵画平面に置き直し、さらに色彩を伴った面に象徴を付与した画家がいたこともある。分割した面を紐で結びつけてぶら下げることで空間へを配置しようとした画家もいた。もういいだろう。今はその作業に意味を見出せない。意味を発生させる必要もないし、空間を捉え直す作業も必要ない。なにかがそこに存在する、そのことだけを問えばいいいのではないか。そのためには存在のバリエーションが必要となる。存在することは自明ではないから、存在していることを知らしめなければならない。全体ではなく部分として。構成された結果ではなく、プロセスとして。人の手から離れたものではなく、常に人の手で変化するものとして。それは存在しているということはなにを意味するのかという問いを、問い続ける。