高田マル 「この花、ダリア、ダリア、ダリア、」

NADiff Window Gallery、2024年3月28日〜4月14日

現代作家アートスペース個展

鑑賞日:4月12日(金)

 

線を引く。繰り返す。消す。線を引く。繰り返す。消す。この反復行為のリズムが、心臓の鼓動とシンクロする。生み出されていくのではない。古い何かから新しい何かへという時間軸を進むことも求めない。反復する。その場に留まることによって。まだ何も手にしていないのだから。手にしたものは、その瞬間に放棄せざるを得ないのだから。更新を否定しているのではない。成長を拒んでいるわけでもない。すべてを肯定する。そのために、私の内側にすべてを溜めていくことが必要だ。出発地点に留まることによって。見方によっては出発地点は複数ある。ならば、すべての出発地点に立とう。目指すとことは常に同じで、変わることはない。その場所へのアプローチの方法も選択できるだろう。しかし、そのための創作の手法は変わらない。反復する。一定のリズムを保って。肝心なことは感情を拒否することだ。感情に動かされたら、留まることはできずに、移動が始まってしまう。移動が始まると、そこには霊性は宿らない。感情ではなく感覚を主体として、線を引き、そして消す。