高山登

YOKOTA TOKYO、2024年2月5日〜2月22日

現代物故作家画廊個展

鑑賞日:2月19日(月)

 

見えているはずなのに、意識しないで目を向けないものが、世の中には多すぎる。すべてを等質に見ることは、不可能だとしても、それらは日常にありふれており、人々の生活の一部ともなっている。意識しないのは、無意識のうちに意識の外に分類しているからだ。あることはわかっており、その存在の理由も理解しているが、無いものとする。下部構造のさらに下に据え置こうとしている。しかしそれは在る。もしくは居る。それらは、彼らは共同体を形成している。その共同体の姿もまた、世界の一部であり、世界を認識する入り口となる。その入口をご覧にいれよう。その臭気とともに。視覚以外でもその存在を認識するように。しかし、認識されるためにその存在を白日の元に晒した時から、臭気は次第に薄れ、その表面も滑らかなものへと変質していく。同化を求めているわけではないのだが、認識されるにつれて、存在が薄められていく。しかし無くなりはしない。入口がより開かれただけなのだから。