Gallery OUT of PLACE TOKIO、2020年6月19日〜7月19日
現代作家画廊個展
鑑賞日:7月4日(土)
目の前に景色が広がる。それは私の居る場所に続いているはずだが、景色は途中で止まる。切れると言ったほうがいいだろうか。本当は続いていないのかもしれない。しかし、景色はある。以前ならば気がつかなかった、大気の揺れ動く世界。私は部屋になかにだけ、意識を向けていたのだろうか。風に揺れるカーテン。その窓枠の向こうの樹々の存在は認識していた。その窓枠の向こうの世界と部屋になかは繋がっていると感じていた。部屋から出ようとしているのか。それとも留まり続けようとしているのか。部屋から出ることはできない。部屋と景色とは別物だから。一続きでないことを、受け入れたい。その向こう側へ行きたいわけではない。部屋から出た瞬間に、見ていた景色とはまったく別物の奈落へと落ちていくだろう。その時、空は限りなく高く、柔らかい陽射しが降り注ぐことだろう。