白井晴幸 「COPY | RAYS | VIEW」

HECTARE202353日〜528

現代作家画廊個展

鑑賞日:523日(火)

 

強い陽射しのなか、木々の葉が風に揺れる。風になびき、ゆらゆらと不規則な反復運動を繰り返す葉の向こうに青空が見える。青空と私の眼の間に存在するもの。それが何かは知っている。それがどうしてそこに在るのかもわかっている。それがなぜ動いているのかも理解している。しかし、それが存在していることの意味がわからない。キラキラと浴びた光を反射させながら。存在の意味は、どのような方法で確認、認識できるのだろう。そのためには対象をとらえる方法を創造しなければならない。在るのはわかっている。だから在ることを把握しつつ、在ること以外の属性を対象から引き出す方法だ。引き出されたものには、意味が付随しているだろう。なぜなら、ある操作を経たことで在ることは自明ではなくなるから、在ることが消えた事物に何が残るのか。事物と存在を分離させた時に、その分離を明示できるのは、影でしかない。キラキラとした光に目を向けるのではなく、光のシステムとその影を捕捉する。それは、事物を言語へと変換する行為でありつつ、その結果としての像が言語を持つことはない。