ダムタイプ|2022: remap

59ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展

 

アーティゾン美術館、2023225日〜514

現代作家海外展帰国展展

鑑賞日:512日(金)

 

情報はいつでも手に入る状況にありながら、まったく入ってこない。なぜだろう。デバイスはこの手にあるのに。デバイスの問題ではない。しかし情報を得るにはデバイスが必要なのか。いや、そうではない。デバイスはデバイスに過ぎないとして、デバイスと人間との関わりが、テーマだったかもしれない。そこでは、人間よりもデバイスが上位にあり、しかし掴むことの出来ない人間認識対して、潔い敗北を示していたようだ。

 情報は与えるものではなくて共有して友好活用するべきものであるのに、いかに情報を扱うかだけで、それが表現へと転化される。その行為こそが、世界の正義体系とでもいうのだろうか。情報の格差というものは、デバイスの扱いの習熟度の問題であり、個人の内部の問題に過ぎないと。

 そうではない。その気づきのための空間を作る必要があるのだという声が聞こえてくる。かつては社会告発の意味を含めたテクノロジーが、鎮静剤と化している。