石田尚志「庭の外」

Taka Ishii Gallery20221015日〜1112

現代作家画廊個展

鑑賞日:1110日(木)

 

動き続けるもののなかに身を置き、その動きに身を委ねて、抗うことはできない。ただ流れに身を任せつつ、その流れの意味を探っていく。その時間のなかに不動ななにかを発見する。それは不動ななにかを設定しないと自分と時間の動きとの関係を見い出せないのかもしれない。しかし、不動ななにかはある。枠として。わたしの存在を規定する、流れと同様に抗うことのできない存在として枠がある。その枠を見つめなければならない。どこにあるか。

 枠を見ているのか。動きを見ているのか。そこで動いているということはなにか、という問いが発生する。形態が変化している様が確認できるが、それは実は動いてないとわかる。動いているということは、ある認識の問題であり、その動きは静止の状態としても把握されるべきだから。であるならば、静止して不動を思われる枠こそが、動いているとは考えられないだろうか。不動は時間の仮の姿であり、枠というものも仮の設定でしかないのだから。