安田悠 たゆたうままに時間の中で

Yuka Tsuruno Gallery2021717日〜814

現代作家画廊個展

鑑賞日:84日(水)


自分がなにに囲まれているのかを確認する。そのために、しばらく動かずにいよう。なにが見えるか。なにに触れるか。なにを感じるか。周囲の動きを知ることになる。その変化を私は知る。その変化が私のものになるまでには、どれほどの時間が必要だろうか。私は変化と共にあると言い切ることもできようが、その言葉にどれほどの真実が含まれているだろうか。むしろ私は変化できない。変わりようがないほどに、あらゆる物事に行動が規制されて、そのルールのなかでしか動きようがない。だから、動かずにいるという選択しかできなかったのだ。自分が動けないということを確認するために。その動けないことの意味と理由を確かめるために。私の身体は動いていない。しかし、私の内部は微動して

いる。私の外と内の間にある何者かだけが動いていないのだが、すべてはその何者かの領域となっており、外と内はほぼ存在しない。その分厚い何者かの正体は、あらかた判明しており、ほとんどわからない。だからもうしばらく、動かずにいよう。