近藤恵介|絵画の手と手

LOKO GALLERY20221028日〜1127

現代作家画廊個展

鑑賞日:1118日(金)

 

物事には作法がある。そこに気付くと作法を理解し、習得してみようと考えるものだ。何事にも作法はあり、そして創造されていく。歴史的に輸入されたもの、いやこの国において輸入されなかったものがあるのか疑わしいところでもあるのだが、その輸入先の作法を理解することには、当然時間がかかる。それは翻訳の手続きを踏むからだ。翻訳に翻訳者の意図が入るのは、言うまでもないことだが、だからと言って自分で翻訳したところで、原典と同化できるわけではない。そうだとしても、なんとなく諒解事項として多くの人が気にしていないことを、もう一度翻訳し直すことにも意味がある。かつて他の言語へと翻訳された事実も理解しており、実は今使っている言葉が翻訳されたものでしかなかったと理解していても、その翻訳と誤読の上に言葉を発するしか手立てはない。その翻訳と誤読がわたしの身体を築いているのだから、読み直しつつ、わたしはわたしを解体していく。要素を分類し、丁寧に仕分け、何も残らない。