渡部未乃 | FORM

GALLERY MoMo Projects2019423日~428

現代作家画廊個展

鑑賞日:426日(金)


わたしの周りを取り囲むさまざまなものたち。植物、動物、建築物。それらの間には、空間という名の空気が充満している。わたしが世界を観るとき、わたしは空気を観ている。空気と視線の先にあるものの関係。空気は原理的には均一に近いはずなのだが、ものとの関係のなかでは明確に粗密がある。空気の濃さ薄さでもののかたちは変わり、視界のなかでの位置関係も変わる。空気の粗密はどのように観るのか。観えてしまうのではなく、ある手掛かりを使って、観ようとする。それは配置と隙間といえるだろう。配置を選択し、そこに発生する隙間から空気の流れを読み取る。この時空気は薄いところから濃いところへと流れていき、それぞれの配置は不動のまま、ものの存在の密度が変わる。固まるものと輪郭が溶けるもの。隙間から噴き出し吸い込まれる空気のみが動き、ほかはすべて停止している。