ジャスパー・ジョーンズ:Eyes in the Persistence of Form

ファーガス・マカフリー東京、2021911日〜1016

現代海外作家画廊個展

鑑賞日:921日(火)


視ることと輪郭をトレースすることとの違いについて考える。輪郭は、その物体の外周を指すだけではなく、内部の凹凸やパーツを認識する際の、手掛かりでもある。輪郭を読み取ることで、その像の意味を探り当てようとする。そのような行為が慣習となってしまっているわけだが、本当にその行為に正当性があるのかは、検証されていない。だから、視るという行為の意味を突き止めるために、輪郭とは何かと、問わなければならない。線と色彩は互いに接し、干渉し合う。線と線、色彩と色彩、も同様であることも自明だ。だから線と色彩と形体を分離させることから始めよう。線と色彩と形体の間に空を作ることで、人は空を視る。さらに形体から意味を分離させる。形体はなにがしかの代理物として認識され、表象として意味を持ってしまう。人間の本能に基づくその自然発生的な振る舞いを回避するために、意味ありげな形体を、その意味を利用しつつ、散りばめる。視る人は振る舞うことから逃れられない。しかし、それは線と色彩と形体の問題ではない。そこに意味はない。意味は後から作られる。