ルドルフ・シュタイナー展 天使の国

ワタリウム美術館、2014年3月23日〜 7月13日
近代海外物故思想家回顧展、自主企画単独開催
鑑賞日:7月10日(火)

身体と、身体を取り巻く空気と空間の接点は皮膚であり、感覚であり。物理的に触れることはなくとも、精神的に触れることはできる。感覚を知覚の曖昧な状態にしておくと、この精神的な接触を具体的に説明することはできない。知覚も感覚も常に色彩として把握される。形体の輪郭が外と内とを分けるだけでは、その色彩同士が重なり合う姿を表すことはできない。色彩は波動であるから、揺れ続け伝播する。あらゆるものに浸透、共鳴し、その固有の波動をともない、新たな色彩となって発せられる。身体もまた、波打ち続ける粒子の集合でしかない。空間もまた、同じように振動する粒子の集合でしかない。そこで起こるある超越というものは、振動のいかなる状態か。超絶という振動の極みが崩壊する一点とは別の領域。世界の振動が等しくなりすべてが一体化する瞬間。それは自我の消滅を意味するために、崩壊の喩えの一つとなろう。自己の振動を自在に増幅させて、他者の振動との波長の違いを測る。消滅を避けるために、振動の原理を探り、原理を手にすることで、やはり消滅する。

ルドルフ・シュタイナーの黒板絵

ルドルフ・シュタイナーの黒板絵