コンタクトゴンゾ展 フィジカトピア

ワタリウム、2017年2月5日〜3月26日
現代作家美術館個展、自主企画単独開催
鑑賞日:3月25日(土)

感情が発生する以前、身体は物体でしかない。ある感情がほとばしった後も、身体は物体でしかない。感情が発露している只中にあっては、理性によっても悟性によってもコントロールできないため、身体は物体以外の何物でもない。知覚によってコントロールされていると仮定され、そのように振る舞っている身体の物体性を、コントロールによって露出する試みは、度々行われてきた。しかしそれは身体を物体のように振る舞わせていたとはいえないだろうか。身体の物質化といってもいい。身体即物体であり続ける。その状態を開示し続ける。そのために、そして生き生きと物体であるために。生きることと物体であることの長い往還運動を、今ここに顕す。そのためには装置が必要となる。他者としての物体でも、物体としての他者でもいい。それは、物体として機能する限り、装置としては同じことでしかない。