藤原彩人 -GESTURE-

gallery21yo-j、2017年3月9日〜3月26日
現代作家画廊個展
鑑賞日:3月25日(土)

身体は有機的で閉じた塊ではなく、その都度架構される一時的な構造物が連続した状態に過ぎない。絶え間なく動き、自立し、その構造体は皮膚の下に隠れている。そして、そこで展開される動きは、パターンを持ち、止まり、脈絡を失う。一時的に制止した人体はその不完全さをより露わにするために、架構を支える支柱が必要となる。物体としての自立と存在としての自律の混乱が、存在としての自立のための物体的な支えによって、自律を補完する。その身体が不完全な言語であることこそが、コミュニケーションの重要な要素となるのだから、口は閉じ表情は失われる。そのメディアから読み取るべきものは、メッセージはそこからは発せられないということだ。そして支柱が意味を語り始める。何を支えているかを。支えられるものに意味はないことを。