梅津庸一展 ポリネーター

ワタリウム美術館2021916日〜2022116

現代作家美術館個展

鑑賞日:1219日(日)


集めよう。とにかく。時間とともに消えていくものを。それ自体の価値は不明でも、きっとそれは何かを媒介する役割を持つはずだ。その相手が見つからないとしても、相手が見つかったところでうまく作用しないとしても、運ばなければならない。自分自身を。無数に増殖した自分自身を。粒子へと分解した自分自身を。集めたときに不純物が混ざる。そこで考えなくてはならない。純とはなにか。不純とはなにか。自分自身のなかの不純を選り分けることができるのだろうか。自分の純は認識することができない。自分の不純も認識することはできない。集めた粒子を前に呆然とする。粒子を前にしている自分は何者なのか。存在しているのだろうか。増殖の果てには消滅しかないと老婆が言っている。増殖と消滅は同義だと。わかっている、そんなことは。だから集めなくてはならない。そして火に焚べて魔術をかける。存在しない私の代理物が、さらに粒子を撒き散らす。

ラムからマトン

ラムからマトン

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