隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則

東京国立近代美術館2021618日〜926

現代建築家国立美術館近作展

鑑賞日:9月3日(金)


都市が他者で溢れていることは自明だ。それぞれがそれぞれの行動をする。しかし、都市というものは、行動を規制するようにできている。建築物も小さな都市として機能し、役割のなかに人を納めようとする。そのように人の動きを予測し、いかに制御するかを誇る。そこに猫をフレーバーとしてトッピングして、人の行動をさらに規制する。公共とは何のためにあるのか。管理社会のニューヴァージョンでしかない。人は猫と同じように自由であり、同じように規制されている。定められたテリトリーの中でだけ行動するように。テリトリーの外にはでない生物として人間があり、公共が設定される。多様性のなかでは、さまざまな人種が、この公共性になかに取り込まれていく。テリトリーを出ないことが前提に。建築素材が均質化され規則正しくルールのなかで積み上げられるように、その建築のなかを移動する人も、なかで働く人も、同じように匿名を帯びて、集積されていく。