冨井大裕 斜めの彫刻

Yumiko Chiba Associates20201017日〜1121

現代作家画廊個展

鑑賞日:1121日(土)


物の周囲には、なにかがある。そのなにかは、物によって変化する可能性がある。そのなにかは、領域が定まっていない。無限ということもできるし、ある範囲までと限定することもできる。しかし、領域を限定されたからといって、物そのものに変化が起きるわけではない。いや、本当にそうだろうか。領域によって、物は変化せざるを得ないのではないだろうか。物から発する力と、領域から攻めてくる力と。本当にその戦いは必要なのか。そこに別のファクターを挿入することを提案したい。それは、戦いを無効化することだ。それでもなおかつ、物はあり、領域はある。いや、そうであることはわかっている。物と領域以外のファクターを挿入するがために、物は存在する。限りない自己肯定として。在ることは在ることだと、高らかに歌いながら。