リチャード・セラ ドローイング展

ファーガス・マカフリー東京、2020620日〜829

現代海外作家画廊個展

鑑賞日:81日(土)


大地に触れる。両手を土の表面で動かし、土を集め、跡を残す。形を作る。形は生まれる。どこかにあった物体が移動することで。それはまた、いつしか崩れ、失われることも、もちろんわかっている。私は私の行為の結果を残したいのではない。そのもの意思による、形の出現を求めている。それは決して偶然には起こらない。風が、雨水が、日光が作用することで、形が生まれることも知っている。しかし、それはそのものの意思ではない。自ら形を成すためには、そうなるよう状況を設定しなければならない。定められた状況から発生し、その形は状況を超えて存在することができる。私は素材と、生まれつつある形と一体化し、話し合い、コントロールする。完全に作られたものでしかないにもかかわらず、形は生き生きとして現れる。そして、自らの存在以外は語らない。生まれ出たものの特権として。すべての関係性から切り離されたものとして、そこにある。