コバヤシ画廊 、2020年1月6日~1月18日
現代作家画廊個展
鑑賞日:1月18日(土)
大地と大気のなかに人はいる。人は大地と大気の揺らぎを感じつつ、自らの存在を確かめる。それは不安定なものでしかない。だからその不安定さを含めて、大地と大気の在りようを描く。それは私の存在を取り巻く世界として。世界は揺らぎ、そして完結している。
しかし、世界には私もしくは人以外の存在者がある。圧倒的な他者として存在しているものたちと接する時、世界は拡がり、私は中心でなくなる。私を取り巻く世界というものは、初めから存在していない。私は世界の一部であり、多くの他者によって生かされているにしか過ぎない。その時風景は転換する。陽の光を浴びて写し出されるのは、私の物語ではない。視覚の範囲を超え、嗅覚と触覚と聴覚と味覚からくる存在を基にした、世界の在り方を、もう一度視覚に戻して再構築する。