二艘木洋行 大ポスター展

TALION GALLERY、2016年5月26日〜6月23日
現代作家画廊個展
鑑賞日:6月15日

描かないということを描くために、描くということ以外のことを描くしかない。しかし、それもまた描くということの範疇でしかありえないために、描かないということを、描くという制度を利用し、描いていることは描いていないことはでしかないというアリバイが必要になる。描くという制度のなかにいる限りは、描こうと描くまいと描いていることにしかならず、しかも描くという制度を描いていることでしかなく、そこに描くという制度を超えた発生はない。だからこそその発生しない地点において描くと描かないを描かないことによって掘り進め、世界を裏返しにする。とはいえ裏返された世界もまた、同じ制度のなかにしか存在しえない。その制度を超えるためには、そのトートロジーを繰り返し繰り返し、繰り返しのなかから発生する新たな制度に期待するしかないのだろうか。