日本近代彫刻展

武蔵野美術大学美術館、2015年5月25日(月)〜8月16日(日)

日本近代海外企画凱旋帰国展、共催:ヘンリー・ムーア・インスティチュート
鑑賞日:7月9日(木)

似て非なるものの様式から、似たる箇所と非なる箇所を弁別する。その弁別の根拠となるものは、どちら側にあるのか。同じ様式であらんとするときに、その欲した動機にはすでに非たるものが内在されており、それは様式の違いとして現れる。形態において近しいものが、様式において隔絶される。しかし、そのように非たるものを厳然と区分けするほど、欲せられた様式が明確であるわけではない。変化のなかで動いていくものと止まったままであるものとが、互いに交差し合い、また、他の様式とも流動的な一致と不一致をみる。
そのなかにあっても、ある行為のなかに、他者を本質的に誤解せざるをえない必然というものが発生する。その誤解こそが、非でしかありえない要因であり、同化しないことの可能性となる。

A Study of Modern Japanese Sculpture: Essays on Sculpture 72

A Study of Modern Japanese Sculpture: Essays on Sculpture 72